『トヨタ・ショック』講談社発行で井上久男、伊藤博敏編著。以前にも紹介しましたが、「まさかあのトヨタが‥」が現実のものとなりました。
モノづくりの原点は「安心・安全」ですがトヨタ自動車の大量リコール(欠陥車による自主改修のこと。無料で回収・修理する)は、米国、欧州、カナダ、中国など世界に及び、20車種以上、1000万台を超える規模に広がっています。
欠陥の原因は車の命でもある根幹・安全にかかわるものでアクセル部品の可動部分が経年劣化などで動きが鈍くなりアクセルペダルの戻りが遅くなることやアクセルベダルが床のフロアマットに引っかかるなど信じられない設計ミスです。
「環境にやさしい」次世代の車のさきがけとして販売台数を伸ばしてきたハイブリット車の新型「プリウス」にもブレーキに関して日米での苦情がでており、新たなリコールになり、トヨタの「安全神話」に深刻な影を落とす事態になっています。
故豊田佐吉氏は、今日のトヨタグループを創りあげる礎となった創業者です。発祥の地である旧豊田紡績本社工場跡にある「産業技術記念館」には、「モノづくり」にかける執念、佐吉の遺訓をまとめた「豊田綱領」が示され「研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし」と。
奥田碩社長時代(元日本経団連会長)にスタートしたグローバル戦略が「国際競争に勝つ」として働く者の賃金を抑制し、非正規雇用の拡大と切り捨てや下請けいじめの徹底したコスト削減など「安全・安心の品質確保」をなおざりにしたあくなき利益第一主義にあります。
その一方で国内の農林漁業をも犠牲にし、国土の荒廃など国民への犠牲の押し付けと引き換えに、国際的な取引を拡大してきたトヨタの世界制覇の「野望」がいかなる事態に立ち至ったか。「トヨタ神話」がいかに虚構のものであったか。
いま大いに政治を語り、「虚構」の経済を正しルールある経済社会への転換を。
(高知民報10年02月14日付への寄稿です)









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