私のふるさと・高知県香美市物部町(旧物部村)が、いま深刻なシカ被害に苦しんでいます。
先月調査に入った剣山から連なる三嶺の実態はひどく「災害跡?」と錯覚するほど樹木は立ち枯れ、表土がむきだしになっていました。
洞爺湖中島や知床岬、北海道東部で30年間以上に及ぶニホンジカの生息、被害と向き合ってきた第一人者、梶光一東京農工大学教授は、1990年代からニホンジカが全国的に急増している原因として「捕食者の根絶、森林伐採、農耕地の造成、狩猟者の減少、地球温暖化、耕作放棄地の増加」などをあげています。
1月25日に同市で開かれたニホンジカによる樹木被害の現状や対策を考えるシンポジウム「どう守る 危機に立つ三嶺の森」での講演で梶教授は「あと5年たったらもう手遅れになる」と警鐘を鳴らし、広域的な個体数管理の必要性を強く訴えています。
先日うかがった香川県庁の担当者は、異常に増殖するイノシシへの被害対策に悩まされていました。徳島県や高知県でニホンジカの生息地が広がるにつれて、イノシシが追われ、阿讃山地を越えて香川県に甚大な被害が出ているといわれています。
国も昨年2月より、「鳥獣被害防止特措法」を施行し、中国四国農政局が主体となって「四国地域野生鳥獣対策ネットワーク」が発足しています。
いま必要なことは国の動向も活かして四国4県が協力して鳥獣被害への対策にあたることだと思います。
そのためには、①四国4県が、危機に瀕する現状認識と情報を共有し、四県で一体的な対策が推進できるシステムの早急な確立②四県プールによる「振興・支援基金」など獣害防止支援策を市町村対応から県主導の対策にし、相互協力が可能な諸制度の創設③GPS・位置情報システムなどにより、シカ、イノシシ、サルなどの生態を正確につかみ効果的な個体数管理と共生をはかっていく施策の実施、が急がれているのではないでしょうか。
(高知民報09年05月03日付への寄稿です)










井上守 さんからのコメント
2009年6月30日(火曜日)at 20:11:19
捕食者の根絶が最大の原因です。森林生態系のキーストーンであったオオカミを絶滅させてしまったために、現在日本中で大型草食動物が増え続けています。対策はオオカミを再び導入する事以外には考えられません。
オオカミについて危険な動物という誤解をなくし実現出来ます。
オオカミは大口真神といわれ、かつては害獣を退治する守護神でした。