
先日、香川県屋島の東海岸に位置する庵治半島、旧庵治町・牟礼町にまたがる石の国「庵治石の里」を訪問。最近では「世界の中心で、愛をさけぶ」の映画ロケ地としても有名。
現在は新高松市に合併していますが、庵治石関係者と懇談することができました。対応してくださった方は、この地域で石材業者のネットワークを組織し、「庵治石」のブランド化、業界の振興に心血を注いでおられる協同組合の責任者の方です。讃岐石材加工協同組合の概要と「庵治石」の由来などを記した冊子をいただきました。
古くは平安時代から利用された記録があり、本格的な採掘は江戸時代からで、「硬くて高級な庵治石は、古来より天からの大切な授かり物として山から採り、石のかけらや石の粉まで無駄にすることなく全てを使い切ってきた」と長い年月受け継がれてきた職人の心意気と伝統の重みが興味をそそります。
石は硬いけれど、非常に繊細だといいます。40万トンの石を掘っても庵治石の原石は15万トン。それを大割りして墓石にできるのは7千トンぐらいとのこと。端材や石粉、石砂などの副産物を苦労して有効利用する努力がおこなわれています。
人間社会の進歩と「石」とは切り離すことのできない関係。サルから人間に、そして「道具を使う」最初の出会いが「石」。銛など狩猟や火を熾(おこ)す道具として「石器時代」に文明を発展させた要ではなかったでしょうか。
特に日本は、急峻な山々から平野部が狭い国土。その地形を活かした芸術的な石積みの棚田。その棚田で生命を維持してきた祖先。大地震でも持ち堪え洪水時でも貯水機能・排水機能を兼ね備えた役割を果たしている絶妙な石積み。
コンクリートで固める工法が何か強靭に見えるのはまやかしで、厳しい自然の猛威と格闘してきた先人の知恵の偉大さに驚嘆し学ばされます。
庵治石の埋蔵量は豊富で、今も75%の山は手つかず。「今後数百年、未来の石工への贈り物として大切に地球に預けている」と言います。
(高知民報09年02月08日付への寄稿です)









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