中谷巌氏・現三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)理事長の「資本主義はなぜ自壊したのか」を読みました。昨年12月に出版されたこの本。週刊朝日でも紹介され今注目されています。
この人物は、小泉構造改革のおおもとになった小渕内閣の時の経済戦略会議の議長代理。「私はいま、これまでの自分の主張が誤りだったと率直に反省しています。自分が発言した提言は、その後、竹中平蔵さんによって引き継がれ、彼が小泉内閣で政策立案の中心人物に。アメリカ流のグローバル資本主義を持ち込み‥
‥私は、小泉・竹中氏同様、日本社会に構造改革を持ち込んだ張本人。行きすぎた構造改革は、日本社会の良き伝統を壊す強烈な副作用を生み…貧困層の増大、異常犯罪の増大、ぬくもりのある社会の喪失など。これはいけないと、私は自らの主張が誤りであったと悔恨の念を持っています」と「自戒の念」を込めて書かれた『懺悔の書』です。
特に興味深いのは「はたして資本主義とは本当に優れた経済体制なのか」とキューバ、ブータンを挙げ、「物資はけっして豊かではないし、インフラも先進国とは比較にならないくらい貧しい、が人々の顔が実に『明るい』、気持ちが荒んでいないということが私にとっては最大の驚きだった」として「社会主義国の医療というと、欧米先進国の医療水準よりもずっと低いものを想像してしまいがちだが、乳児死亡率ではキューバのほうが安全。平均寿命でもかわらない」。
「しかし、キューバは医療費は当然のことながら全額無料、幼稚園から大学まで教育費は無料。少なくても医療や教育面だけを見るならば、アメリカとキューバどちらのほうが住みやすい国だろうかと考え込んでしまう。」と述べています。
アメリカ型グローバル資本主義の破たんは、人間社会にとっての豊かさとはなにか、本来経済とはどうあるべきかを考えらさせる経済界のシンクタンクの悔恨の吐露です。
今こそ、国民本位の日本経済再生に向けて大きく舵を取るとき。
(高知民報09年01月25日付への寄稿です)










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