2008年4月26日(土曜日)
[ まるの多事雑感 ] 笹岡優

消滅集落へ

シカ被害 

TBSの田丸美寿々キャスターが務める報道特集NEXTや高知のローカル放送などで故郷の旧物部村(現香美市物部町)が連続して特集番組として取材され報道されました。
 
「後期高齢者医療制度と限界集落」がテーマでした。

私の姉の夫の生家がある笹・明賀地区が取材地域に。ここは戦前、旧日本軍が本土決戦に備え、武器弾薬を運ぶルートとして東祖谷山村(現三好市)から峠越えでつくった道の最も奥深い集落。この峠は、矢筈山(1606m)を越えることから矢筈峠と云われていますが別名「アリラン峠」とも呼ばれ、朝鮮人の強制労働でつくられた道だそうです。
 
現在は、5世帯7人が静かに住む「限界から消滅集落」に追い込まれているところです。平均年齢80歳。すべてが後期高齢者医療制度の対象者です。第2弾の取材は、「制度実施後」がテーマでした。

年金が月3万円で、バスもなく物部町の病院に通院するにもタクシーを利用せざるを得ず、往復7千円(市から月1回3千円は支給)もかかる。「米は娘がくれるき菜園をして食べゆう。田舎は菜園ができるきえいけんど、町の人は何にも買わないかんき、大変じゃろ」と町で住む人の暮らしを気遣う。庭にでるにも両手に杖。これで畑仕事ができるのかと思えるぐらい痛ましい。しかし気丈で悪政への怒りをかもす。
 
徳島県の剣山(1955m)系にある一の森ヒュッテを管理している内田さんからメールで徳島新聞の記事が届きました。
 
「三好市と高知県の境にある三嶺(1893m)山頂付近の樹木の約4割が、ニホンジカの食害に遭っている。剣山地域ニホンジカ等被害対策協議会の調査で分かった」と、それは昨年私たちが調査した鹿被害が急速に広がっている深刻な実態でした。この問題は高知県のテレビも報道し、市の職員やボランティア関係者が三嶺に入り、山の各所を防鹿柵で囲い、一本いっぽんの木にネットを巻きつけるなど気の遠くなる作業を進めています。

「限界集落、高齢者いじめ、地球温暖化、自然破壊」もとをただせば利潤第一主義のなせる業。
 
故郷の山荒れ今は住むことも ならぬ悔しさ尾根にこだます

    (高知民報08年04月27日付への寄稿です)


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