2007年10月14日(日曜日)
[ まるの多事雑感 ] 事務所

山の神

JA宇和青果で懇談している様子

昨年から4県をまわるなかで、四国の山々が荒れ、「山の神」が怒りだしていると痛感しています。

愛媛県南予地域の伊予ミカン生産者のJA組合長から「陸・海・空から攻められてたいへん」とミカン農家の厳しさが語られました。「陸・海・空」?――最初何のことかわかりませんでしたが「陸」はハクビシン、「海」はヒヨドリ、「空」はカメムシの事で、深刻な鳥獣被害の実態だったのでした。このような被害は四国、そして全国に広がっています。

私のふるさとの高知県香美市物部町(旧物部村)では、イノシシ、シカ、そしてサルの被害に悲鳴をあげています。植林として植えた苗はもとより、木の皮まで食べられて立ち枯れする凄まじさ。

国の林野政策としてスギ、ヒノキを植林する誘導策の一方で、外国から外材を輸入する逆立ちしたやり方によって、いま山の持ち主は林業に魅力を失い、昼間でも真っ暗なうっそうとした異様な針葉樹の山になってしまいました。その結果、山の生態系が急速に破壊され鳥獣の生息地が奪われています。

先日、愛媛県のJA中央会の関係者との懇談でも、「山が荒れれば下流の畑が、そして水田も荒れてくる」と現状に対する憂慮の声がありました。

テレビ番組で、世界第3位の小麦輸出を誇るオーストラリアの穀物地帯が異常な干ばつで砂漠化しており、大打撃の被害をうけ、ハワード首相は「われわれは危機に直面している」と述べていました。さらに、絶望した農民が自殺に追い込まれているというショッキングなリポートがありました。

日本も今の「暴走」を続ければ、いつこのような状況になるかわかりません。

動物は異常気象を本能的に感じる能力があると言われていますが、鳥獣の行動は私たちおごり高ぶる人間に警鐘を鳴らすメッセージなのかもしれません。山の精「トトロ」のように。

     (高知民報07年10月14日付への寄稿です)


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