先日愛媛県の大洲市肱川町に行く機会がありました。国道197号線を一級河川の肱川沿いに蛇行しながら走っていくと対岸に肱川中学校の校舎が目に飛び込んできます。それを囲むように家々がところ狭しと建ち並び旧肱川町の集落を形成しています。少し山を登るとその集落を飲み込むようにコンクリートの壁、鹿野川ダムが立ちはだかり、ヘドロ混じりのよどんだ水を放流しています。
山の頂上は開発されてスポーツ施設や公営住宅、文化施設などがあります。大野新策大洲市議の案内で大洲市立肱川風の博物館・歌麿館を訪問しました。風との結びつきをテーマに世界の風力発電など展示。永井恭平氏の木彫画作品や喜多川歌麿(1753年~1806年)の作品が展示され、タイムスリップした空間に誘われます。
その一角に、この地域に生息する野鳥の写真パネル、剥製などの展示がありました。その中には、絶滅危惧種として指定されているヤイロチョウやカワセミ、ヤマセミ、クマタカなどその種類は多彩です。自然林をベースとした雑木林の広がりが野鳥の保護林「宝庫」として大きな役割を果たしている感じがしました。
ところがその地域にいま問題の「山鳥坂ダム」を建設するというのです。山鳥坂は地名、名前からも野鳥の「棲みか」。〝ダム〟をつくるとは〝人間の傲慢〟ではないでしょうか。これが建設されると地域の生態系は壊され、野鳥の「宝庫」はその輝きを失います。
旧肱川町の集落は、2つのダムの壁に挟まれることになり、野鳥と同じように住民も窒息させられると思います。
「山鳥坂ダム」建設の必要性は洪水調整機能や利水の面からもなんら見えてきません。
肱川漁業協同組合会長の楠﨑隆教さんは、自民党の金権・腐敗体質を指摘し、「ムダなダム建設は断固止める」と明確に語ります。
今、世界ではダム撤去が大きな議論になっているのに。日本政府は…。
(高知民報08年02月17日付への寄稿です)










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