10月20日付け、讀賣新聞の一面トップに大見出しで、「NTT年金減額認めず――東京地裁判決=経営切迫していない=退職14万人分」との記事が載り、全国紙各社も大きく報道しました。NTTグループが退職者への年金給付を減額する規約の変更を厚生労働省が承認しなかったのは不当として、グループ67社が不承認処分の取り消しを求めた訴訟で、東京地裁が「請求を棄却」。その理由として「NTTに減額がやむを得ないほどの経営状況の悪化は認められない」と明確に述べています。
現にNTT東日本も西日本も02年度以降、1000億円前後の当期利益を継続的に計上しており、受給対象者約14万人の企業年金を減額するなど、およそ許されるものではありません。NTTの前身だった日本電信電話公社は、公共性の高い企業体として、国が全額出資して設立したものです。公共性・社会性を最も重視してきたはずの企業が今日では、利益追求最優先へと変質していく姿が目にあまります。
NTTの07年3月期第3四半期(06年4月~12月)の連結決算では、純利益は4,101億円となっており、日本でもトップクラスの大企業です。しかも、この純利益のウラには、徹底した労働条件の後退と業務委託によるリストラがあることを見過ごすことはできません。
NTT社員の定年退職年齢は50歳、働き盛りで子育て・教育費など大変な時期に、会社に残りたければ、非人間的な異職種広域配転に同意するか、賃金30%カットの地域子会社への再雇用か、の選択を迫るのです。この会社の存在と経営のあり方が社会的に与える影響は極めて重大です。
そもそも国民の税金によってつくられてきた企業体が、今日、日本の企業の中でも最もひどい労働条件を押し付け、利益のみを追求する姿を見るとき、国民が納得のいく社会的存在としての責任と、公共的情報ネットワークの役割としての基本理念は、いったいどこへいったのかと怒りを禁じ得ません。
(高知民報07年11月04日付への寄稿です)









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